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アルネヤコブセンのAJシリーズは、直線、直角、斜角を上手く組み合わせた個性的でかつシンプル、スタイリッシュな照明です。
この独特なデザインで、部屋のインテリアのアクセントとして大活躍しています。
意外と汎用性も高く、どこに置いても様になります。
私は基本的に全て正規品に拘っており、リプロダクト製品は買わないです。
ただ、このランプだけは引越し先でどうしてもこのデザインを取り入れたかったのですが、資金不足で繋ぎでリプロダクト品を買って使用していました。
それなりに満足していたのですが、やはり正規品が忘れられず、この度購入に至りました。
AJフロア 正規品はこちらからこの記事では、私が所有する正規品(ルイスポールセン製 約18万円)とリプロダクト品(約2万円)の違いを比較検証していきます!
AJフロアとは
アルネヤコブセンが1957年にSASロイヤルホテルのためにデザインした照明です。
アルネヤコブセンは他にもセブンチェアやアリンコチェア、エッグチェアなど数々の有名作品を残しています。
セブンチェア(1955〜 フリッツハンセン)
アリンコチェア(1952〜 フリッツハンセン)
エッグチェア(1958〜 フリッツハンセン)
AJシリーズはこのフロアライトに加え、テーブルライトやウォールライトも存在します。
アルネヤコブセンはこのAJシリーズの他にも数々のデザイナーズ家具を発表しており、このSASロイヤルホテルのためにデザインした家具として、スワンチェアも有名です。
他にもホテルのロビーに置かれた3300シリーズは、ソファーフレームの角度がAJフロアの角度と並行になるようにデザインされており、インテリアまで一体感を持ってデザインされていました。
ロビーに置かれたオリジナルのAJフロアは2024年現在販売されているスチールモデルだったようです。
リプロダクト製品とは
リプロダクト製品とは意匠権の切れた製品を他メーカーが作って販売している製品となります。
リプロダクト製品については下記記事で詳しく説明しています。
リプロダクト製品最大のメリットはその価格差にあります。
今回紹介しているAJフロアに関しても、正規品は18万円以上する一方、リプロダクト品は2万円前後で手に入ります。
もちろんデメリットもあります。
正規メーカーではないメーカーが、形を復刻(マネ)して権利者の監修なく作っているので品質は作成メーカー次第になります。
そのため同じ商標でもメーカーによって別物になります。それぞれの品質は自分で見極める必要があります。
正規品とリプロダクト製品の比較検証
見た目の違い
正規品はペールペトローリアム(ペトローリアムは石油を意味します。緑と青の間のような色です)
リプロダクト品はブラックになります。
正規品はスチール製、リプロダクト品はアルミ製です。
色が違いますので、完全な比較にはなりませんがそこまで大きな見た目の違いはありません。
素材の違いもそこまで感じません。
リプロダクト品もマットな仕上がりで、なかなか悪くない質感です。
形の違い
2つを重ねて横から見てみました。
支柱の傾きが異なっており、正規品の方が角度がついています。
前述の通り、この角度はデザイナーのアルネヤコブセンが3300シリーズと角度を合わせていることから、意図を持ってデザインした部分です。
ここの違いは僅かながら、正規品を再現できていないと言わざるを得ません。
単体ではそこまで気になりませんが、その作品の歴史や背景を勉強するほどこの違いは気になってきます。
電球ソケットの位置
正規品とリプロダクト品では若干異なります。
正規品の方がシェードに対して中心に来るように設置されています。
この違いは後述する光の届き方に影響してきます。
シェードの円部分の形状
リプロダクト品と完全に形が同じ訳では無いようです。
直径を実際に測ってみましたら、そこまで違いはありませんでした。若干の形状やサイズの差ですが並べて見ると少し違うように感じます。
光の届き方の違い
正規品のみ点灯。比較的手前が照らされています。シェードの中心に電球ソケットが配置されているので比較的狙った部分に光を届けやすいようになっています。
リプロダクト製品。正規品と比べると少し奥の方に光が届きます。
その他の違い
電源コードが、正規品は太くて電源部分も可動式になっています。
正規品の電源部分
リプロダクト品は汎用性の安っぽいコードになっています。
リプロダクト製品の電源部分
正規品と比べるとかなり安っぽく感じます。
正規品とリプロダクトどちらがおすすめ?
ここまで正規品のリプロダクトのディテールの違いを比較してきました。
正規品の素材感や雰囲気など、リプロダクト製品もなかなかの再現度です。
違いもわずかであるため、価格差ほどの価値を正規品に見出せない人もいるでしょう。
デザイナーズ家具のデザインのみ取り入れるならリプロダクトもありだと思います。
ただ、私は結局正規品を買い直すことになりました。
正規品を購入し大変満足しています。デザイナーズ家具の歴史的価値、資産価値はリプロダクトでは享受できませんので、基本的には正規品をおすすめします。
デザイナーズ家具の価値は見た目だけではない
デザイナーズ家具の価格はそのデザインだけに付けられているものではありません。
拘り抜かれた素材、製法、歴史的価値など様々な付加価値によって価格が決められています。
リプロダクト製品は安く似たようなデザインで購入できる点が魅力です。
ですが、本質的に正規品の歴史的背景、作品としての価値はリプロダクトでは表現することはできず、あくまで見た目を真似ているだけです。
それでも、予算はないけどどうしてもデザイナーズ家具を取り入れたい人にはリプロダクト製品は選択肢になりますが、デザイナーズ家具の魅力を本当に理解できるかというと疑問が残ります。
また、リプロダクト製品は、正規品と比べると割安なことは間違いないですが、物の価値と値段が釣り合っているかは疑問が残ります。
リプロダクトは購入時は安いですが、モノとしての価値は低いため、リセールまで考えた場合には、正規品の方がむしろお得なのかもしれません。
正規品の値段は上がり続けている
正規品は米国のインフレなどの影響もあり、定価は上がり続けています。
ここ5年を見ても毎年値上げされており、2018年115000円→2024年184800円まで値上がりしています。
リセールは、もちろん状態にもよりますが、経時的な定価の上昇も相まって、中古価格も上昇傾向にあります。
例えばメルカリで、中古市場を見てみると2018年モデルで115000円で購入されています。
これは事実上2018年から無料で使えていたことになります。(送料や手数料は考慮していません)
こういった価格上昇の恩恵は、正規品の価値があってこそです。
リプロダクトは購入時の価格は安いですが、長く使えば使うほど、本当に価値のある製品を買うことのメリットが出てきます。
まとめ
アルネヤコブセン「AJフロア」について、リプロダクト品と比較しながら紹介しました。
今回の記事と同様にジョージネルソン「ボールクロック」の正規品とリプロダクト品を比較しています。
リプロダクト品は手軽にデザイナーズ家具のデザインを楽しめる反面、本質的な価値が正規品とは異なります。
私はAJフロアのリプロダクトを購入しましたが、正規品への憧れを捨てることができず購入に至りました。
どこに価値を見出し、何を重視するかは人それぞれで良いと思います。
ただ、デザイナーズ家具に興味を持って下さった方に関しては、一度は正規品を手に取ってその魅力に触れていただけましたら幸いです。
正規品の多くは価格が高いです。手軽に手に入れられる類のものではないかもしれません。
しかしながら、私は学生時代から少しずつデザイナーズ家具を集め今では20点以上の正規品を所有しています。
少しでも現実的にデザイナーズ家具を手に入れる方法を下記記事にまとめていますので、ご参考ください。
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